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熔ける~ティッシュ御曹司

こんにちぱにゃにゃん。

イラモ本の企画は着々と進んでおります。
今回もかなり厚めの同人誌になりそうです。
どうぞご期待ください。



最近読んだ本です。

「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」



カジノに入れ込み、注ぎ込んだカネの総額106億8000万円。
一部上場企業・大王製紙創業家に生まれ、会長の職にありながら、
なぜ男は子会社から莫大な資金を借り入れ、カネの沼にはまり込んだのか。
その代償として、塀の中に堕ちた男の懺悔がここに――。
(アマゾンレビューより引用)



4年ほど前に世間を騒がせた事件です。
大企業の社長がギャンブルのために連結子会社から金を借り入れ、使いまくっていたことで逮捕されました。当時ニュースを見て「どういう頭の構造してんだろう」と感じましたね。ああ、私もそういえば借金しまくってましたが。

最近ネットでふとどうなったのかなと調べてみたら「今は刑務所なんだ」と知り、再び興味を持ったので買ってみた次第です。

面白かったです。

ざっくり分けると4つのパート。

・生い立ち、学生時代、大王製紙社長に至るまでの自伝

創業者一家の長男として生まれてますが、別に甘やかされていたわけではなく、むしろ「暴君」である父の顔色を伺いながらの生活だったそうです。いずれ父親の会社に入るんだろうな、と敷かれたレールを冷めた目で見つめつつ、きっちり東大法学部に入っちゃうあたりはすごいですね。
大学入学のプレゼントが1千万円越えのBMWとか、ちょっと苦笑しますけど、まあ金持ちの子どもなら平均的か。

大学卒業後、社長の息子であり幹部候補生としてやはり大王製紙で働くことになります。この辺、ちょっと「業績を上げた!」的な自慢話が多いので鼻につきますが、少なくとも有能な働き者であることは間違いないようです。製紙会社のさまざまな事情などがわかります。


・夜の交遊録

六本木や西麻布などで飲んでいた時に交流のあった有名人の列挙です。
交流どころか「挨拶したことがある」レベルの人まで名前を挙げる必要があるのかどうかわかりませんが…。まあ大企業の社長さんだと色んな人が寄って来るってことはわかりました。

「国民的アイドル」(たぶんAKなんとか)の高校生メンバー2人が未成年なのに来ていたのでソフトドリンクを飲ませて帰らせようと、タクシー代に1万円渡したら、味を占めたのかその後毎日メールしてきたので無視してやったとか、ドヤ顔です。

ハロプロだと紺野さんの名前が。あと「梅田えりか」ってあるんですが、これはあの梅さんなのか。西麻布のバーで飲んでたのか。

正直言ってこの章は「ぼくの人脈スゴイ」という自慢話にしか見えません。


・ギャンブルと高級カジノの話

会社の金に手をつけるのはほんと最後の2年間だけです。
それまでは自己資金で楽しんでました(当たり前ですが)。

井川氏はゴールドコースト、ラスベガス、シンガポールなどを経験し、最終的にマカオでバカラを楽しむのを主としていました。

数百から数千万の金で遊ぶVIPルーム利用者には、往復の航空便手配があったり、高級車の出迎えがあったり、格安でスイートルームが利用できたりと至れり尽くせりです。カジノ側としても収益のほとんどをVIP客から稼いでいるそうです。

「ジャンケット」と呼ばれる職業もはじめて知りました。
マカオ特有の制度で、大金を使う賭博客とカジノを仲介する業者です。

ジャンケットは世界の富豪や実業家などのVIPと契約します。
飲食の世話や、交通の手配、娼婦の手配をしたり、客の連れがギャンブルに興味が無かったら他のレジャーの案内をしたりなど、コンシュルジュ的な仕事をします。タレントとマネージャーのようなものですね。ジャンケットはカジノ側から売り上げの一部を報酬として貰っています。

そして重要なのが金貸しとしての役目です。
客が種銭を失ったとき、カジノ側としてはもっと遊んで欲しいわけですが、そうそう知らない客に大金を貸せませんね。
そこでそれまでの付き合いで客の素性や返済能力を知っているジャンケットがカジノ側に「この方なら5000万円まで貸しても大丈夫です」と借金の仲立ちをするのです。

井川氏は「ジャンケットに罪は無い」と言います。
が、借金をしてまでハマるきっかけになったのは間違いなくジャンケットの存在です。

・使い込みに至るまでと逮捕から下獄へ

金曜日の夕方、社長業が終わればそのまま空港へ。
毎週のようにマカオへ行き、まる2日、徹夜でバカラに熱中。
そして何千万と散財。
種銭を作るためにブラックカードでロレックスの腕時計を大量に買って、現金に換えたりもしました。

ジャンケットを仲介して借りたカネは、何億円にもなっていきます。
ちょいちょい大勝ちして返済もしますが、トータルでは負け越し。
その返済のため、ついに会社のカネを使い始めました。
大王製紙の連結子会社に1本電話をかけるだけです。

「個人的に運用している事業がある。至急○億円頼む」

さすが社長(のちに会長)です。これだけで、自分の口座にウン億円が振り込まれるのです。

…いやいや、どういう企業だよ。
創業者一族の発言権強すぎだろ。

その当時に起きたオリンパスの不正会計事件とは根本的に異なり、隠蔽とか捏造とかは無くて、単純に「借りて」いました。
ちゃんと取引記録は残りますので、監査法人にもちろん突っ込まれます。

しかし、

「井川さん、このカネはなんですか?」
「新規事業のつなぎ資金です」
「そうですか」

みたいな感じで、スルーされたそうで。マジかよ。

さてギャンブルでの借金ですので、当然「勝って返せる」わけはありません。
ギャンブルは常に胴元がプラスになるようにできています。

子会社からのトータルの借金はついに106億8000万円になりました。ひゃくろくおくえんです。(会長辞任の時点で47億5000万は自力で返済していたので逮捕時には60億円程度)

2011年9月。
社内メールでの告発によってついに特捜部のメスが入ります。

特捜としてはあまりの金額に「政治家への不正献金か!」などとはりきっちゃった部分もあったようです。
蓋を開けたら106億の99%はギャンブルでの借金返済のためでした。

拍子抜けした検察官に、

「井川さん、もっと気の利いたお金の使い道はなかったんですか」
「気の利いた使い道というと…」
「悪い政治家や役人に裏金を渡すとかですよ。せっかく特捜がここまで動いたのに」と言われる始末。

拘置所の取調べが終わり、一審の判決は実刑4年。

実はこの時点までにカネは返しています。
井川氏の持ってる株式でも処分したのでしょう。
または創業者一家がバカ長男のために尽力したのは想像できますが、そのへんの事情はほとんど書かれていません。
また全体を通して、奇妙なほど妻や子どものことに触れていません。

「カネは返したんだから普通執行猶予付くだろ?」
ということで控訴、上告しますが、結局実刑は変わりませんでした。
現在収監中です。来年あたりには出てくるのでは。

全体の感想はというと、んー。
タイトルに「懺悔録」とありますが、全然懺悔してないですね。
「反省している」と何度も書いてあるんですが、伝わらない。
いや、まあ何の関係も無い私に対して「反省する」必要は無いんですけど。
文章が淡々としてて客観的なのがそれをより強調しています。

「僕はいいとこの出で育ち、一生懸命働きました。たくさん有名人に会いました。ギャンブルにはまり、会社の金を使ったら逮捕されました。金は返したのに、刑務所行きです。でも出所したら新事業を検討しています。これからも前向きに生きたいと思います。」

かいつまむと、こういう本です。回想録です。

私とまったく違う住む世界、そしてそこで暮らす人の価値観。
そんなことを学べました。

一番印象に残った部分はここ。

「カジノ通いを始める前から、私に借金癖があったわけではない。(中略)反対に、知人に金を貸したことは何度かある。(中略)経済的に困っている友人から借金を頼まれたときには、全額くれてやるつもりでいくらか融通してあげたことはあった。
借金の依頼はせいぜい数百万円だったものの(私の周りには、数十万円を貸してくれと言うほど経済的に困窮している人間はいなかった)、一度だけ1000万単位のカネを友人に貸したことがあるが、そのときはすぐに完済された」


…うひょー。物差しが違いますね。

井川氏は「(会社に)いつでも返そうと思えば(自分のカネで)返せる」と思って会社のカネを使い込みました。しかも結局返しているんです(まあ創業一族の歴史の力ってのもありますが)。

あと「へえ~」と思ったポイント。

井川氏はダイナースとアメックスのブラックカードを使っていました。
こちらの支払いは一度も滞らせたことがないのに、逮捕され保釈されたあたりのタイミングで「諸般の事情で退会」のお知らせが来たそうです。
一方、VISAやマスターからは何も言ってこないそうで。

「外資系のカード会社は支払いに問題が無く、まだ判決が決まってない(すなわち推定無罪)段階でも、退会させるのだろうか?」

そう疑問を呈しています。
私もどうしてかなーと思いますね。

金銭的な問題での逮捕だったからでしょうかね。
仮に井川氏が彼の経済事情に関係の無い罪で逮捕されていたとしたら、カード会社は反応しなかったんじゃないか、とか。

出所したらカード会社に聞いてみるらしいので、できれば結果が知りたいです。まあカード会社は与信基準なんて絶対に教えてくれないでしょうけどね…。


長くなりましたので、このへんで。
ではでは。
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借金

ギャンブルというのは、勝つ=儲ける事そのものよりも、何百何千という金が目の前で動く事に眉一つ動かさないでいられる事を「楽しむ」のだというような話を何かで読みました。
勝って儲けて何かに遣うわけではなく、金で遊ぶ事そのものが自己目的化するのでしょうか。
多くは「自分のお楽しみ=物欲」で、この方がよほど健全だと思います。
りかやさんや我々の借金は実に健全な目的で…w
さあ、今日もレ○クへ…! (違う違う!!)
ニックネーム変えました。
アナグラムになってます。
4コマつぐながクンの新作、○○○○絵とか、期待しています。

No title

戦時の幸運くじを引いて大企業になっただけの会社のボンボン
親父さんもトンデモな方なのはここで語るほどの事でも無いですが
やっぱ現代社会で世襲するってロクでもない典型つうことですね
プロフィール

りかや

Author:りかや
メール manochin411@gmail.com
ツイッター rikaya_manosta

漫画を描いてコミケやコミティアに参加してます。
オリジナル漫画の書店委託をしております。

■著作紹介

40歳無職独身ロリコン紳士が死亡転生し、女の子として生まれ変わった。失われた性欲を求めてさまようとっても下品な美少女JS物語。COMIC ZIN様で好評販売中!


女子小学生日記シリーズ

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