(674) 事故か事件か
ゴールデンウイークが始まりました。
私は基本的に在宅でヒマです。
ここんところ大きな交通事故の報道が多いですが、今朝方も大きな事故が起こりました。金沢発ディズニーリゾート行きのツアーバスが高速道路橋梁の隔壁に突っ込み、現在の所7名の死亡者が出ている模様です。
原因は運転手の「居眠り」。
長距離でワンマンであったという勤務体系に疑問が投げかけられています。
まあ「高速バスは危ない」「家にいたほうがいい」などとヒステリックになる必要はありません。1970年に16765人だった交通事故での死者は、40数年を経て2011年には4611人まで減っています。じつは11年連続で減少しており、年々「安全」になっていっているのです。
シートベルトの義務化、飲酒運転の厳罰化、クルマそのものに備えられた安全装置類など、長年に渡る対策が功を奏しているのは間違いありません。
もちろん事故被害者遺族からすれば、数字上の話など意味は無いですが。
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亀岡の事故も「居眠り」でした。
しかし運転者は無免許の少年。関係者からすれば「未必の故意での殺人罪」に匹敵しかねない、憤懣やるかたない話です。
もし加害者の少年が免許を持っていたら。
事故後、全力をもって負傷者の救出に動いていたら。
遺族の負感情も少しは和らいだのでしょうか?
自動車を運転し故意に人を殺害した場合、殺人罪となります。
加害者の少年は「居眠り運転」でした。人を殺そうなどという意思は、みじんも持っていなかったのです。あくまで「過失」なのです。
さて自動車事故での最高刑となる「危険運転致死傷罪」の適用は難しい模様です。
成立要件として、
・運転する技能がない
・コントロール不能なほどのスピードオーバー
・過度のアルコール、薬物の摂取
・危険な割り込み、妨害行為、故意の赤信号無視
などがありますが
無免許運転≠運転技能無し
ということだそうです。
なるほど「無免許」と言っても過去に免許を取得していた人が、違反点数の累計により「免許取り消し」になってもなお運転を続けている、というパターンが多いのではないかと思います。
運転者としての適性資格はともかく、クルマを運転する技能そのものは問題がないのでしょう。
加害者少年も趣味欄に「ドライブ」と書くほどですし、過去にバイクの無免許運転で捕まったこともあるくらいの常習者ですから、皮肉にも運転技術は平均レベルだったのかもしれません。
よって、冒頭のベテラン運転手と同様に「自動車運転過失致死傷罪」で裁かれることになるのです。
大きな事故は社会を変えます。
長距離夜行バスの勤務体系を、国が監視する方向に行くかもしれません。
無免許運転のさらなる厳罰化が進むかもしれません。
犠牲として捧げられた被害者の遺族が、そういったことで癒されるかどうかはわかりませんが、結局法治国家はそうやって一歩ずつ進むしか無いのですね。
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